2005 Fiscal Year Annual Research Report
自律型社会ロボットの身体相互作用知の構成論に関する研究
Project/Area Number |
05J01685
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 忠大 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シェマ / モジュール型学習 / 内部モデル / 記号 / 自律性 / 身体性 / 強化学習 / 分化 |
Research Abstract |
人間社会において適応的に活動する自律型社会ロボットを実現するためには,自律ロボットが自らの身体を用いた人間や環境との相互作用を通して知能形成を行っていく事が不可欠であると考えられる.自律ロボットにそのような能力を有させる為には,自らの身体に応じた知覚表象・行為表象を累増的に獲得させる内部機構が必要不可欠となる.本研究では我々が過去に提案した累増的モジュール型学習機構である双シェマモデルをさらに発展させることで,発達的な知能形成を可能とする自律ロボットの内部機構についての研究を行った. まず,双シェマモデル内において形成される知覚表象としての知覚シェマが,自律ロボットの身体性の変化に伴い量・質ともに異なる事を示した.人間や他の動物において,自らの身体特性に認識が影響を受けるということは諸学問において示唆されており,双シェマモデルがその構成論となり得る事が示された. 次に,双シェマモデル内において行為表象としての行為シェマを強化学習により自律ロボットに獲得させる手法について提案した.通常の強化学習を通した行為学習では獲得行為はその行為を獲得した環境下のみでしか用いることが出来ない.これに対し人間は新たに遭遇した環境下でも過去に獲得した行為に類した行為を発現しうると考えられる.我々はこのような環境変化を越えて保存される行為概念を汎化行為概念と呼び,行為シェマがこの特性を持つことを示した. さらにこの汎化行為概念は,知覚シェマを累増的に獲得するときに用いたシェマモデルを強化学習に拡張することで,累増的獲得が可能である.この累増的モジュール型強化学習機構を強化学習シェマモデル(RLSM;Reinforcement Learning Schema Model)として定式化し,提案を行った.これを双シェマモデルにおける行為シェマの学習機構に実装することにより,知覚・行為両面において累増的なモジュール獲得を可能にする自律ロボットの内部機構を実現することが出来た.
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Research Products
(2 results)