2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化亜鉛系半導体の伝導性制御および超格子構造による新機能発現に関する研究
Project/Area Number |
05J01770
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森山 匠 京都大学, 国際融合創造センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 結晶成長 / ドーピング / 伝導性制御 / 銅酸化物 / 擬似混晶 / ホモエピタキシー / バッファー層 |
Research Abstract |
本研究は、ホモエピタキシャル成長や新規基板を用いた酸化亜鉛(ZnO)系半導体結晶の高品質化を行い、pn伝導性制御を行うこと、また超格子構造によってpn制御や新規光・電子物性の創成など新機能の発現を図るものである。研究の実績を以下に記す。 1.ZnO基板を用いて、有機金属気相法によるホモエピタキシャル成長を行った。基板の表面処理法として、酸素雰囲気での熱アニールの条件を見出し、良好なZnOホモエピタキシャル薄膜を得た。その特性はZnO基板の特性に大いに依存し、ZnO基板の結晶性向上につれてZnOホモエピタキシャル薄膜の特性が向上する。水熱合成法によるZnO基板の利用により、室温でのフォトルミネセンスピークが3.31eVに得られ、励起子結合エネルギー60meVとZnOの禁制帯幅3.37eVを考慮したとき理想的な位置に発光が得られたことになる。 2.ZnOホモエピタキシャル薄膜に窒素ドーピングを行ったところ、サファイア基板上に成長したZnOヘテロエピタキシャル薄膜に比べて高い取り込み効率が見られた。これはホモエピタキシャル成長の効果であると思われるが、P型伝導を得るには至っていない。 3.将来の高効率発光デバイスやトランジスタ応用を念頭に、非極性面であるR面およびM面サファイア基板を用いた場合のZnO薄膜の成長特性を調べた。成長条件によってc軸方向またはそれと垂直方向に伸びる成長姿態を示し、モフォロジーや結晶方位との関係を明らかにした。また、ZnOの機能とLSIの融合に向けてSi基板上の高品質ZnO薄膜を得る手法を検討し、2層のバッファ層を用いる三段階成長法を発案しその効果を実証した。 4.ZnOのp型伝導のため、十分な酸素供給下で成長しうる方法を考案し窒素ドーピングを行い、熱アニールで水素を脱離させることを通じて正孔密度10^<16>-10^<17>cm^<-3>のp型伝導を示すデータが得られた。 5.超格子構造により非平衡性の高い混晶や伝導性制御を実現する技術について検討した。
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Research Products
(1 results)