2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質機能発現を制御するXaa-Pro結合の異性化を標的とした創薬研究
Project/Area Number |
05J01791
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 義一 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 蛋白質機能解析 / プロリン異性化 / アルケンジペブチド等価体 / 有機銅試薬 |
Research Abstract |
アミノ酸-プロリン(Xaa-Pro)間におけるペプチド結合はcis型-trans型の平衡状態にあり、この異性化現象はタンパク質の構造変化と機能発現に関与している。しかし、その機能発現型配置がcis型trans型のいずれであるかは、遺伝子配列や分光学的構造解析から明らかにされることは困難であり不明な場合が多い。我々はXaa-Pro間ペプチド結合をcis型またはtrans型に固定したアルケンジペプチドイソスターを合成しプロリン含有タンパク質に導入し、その機能を解析することを目的に研究を行っている。我々によって既に確立されているtrans-Xaa-Pro型(E)-アノレケンイソスターの合成法に加え、前年度はcis-Ala-Pro型(Z)-アルケンイソスターの合成法の開発を行った。本合成手法では、有機銅試薬によるanti-S_N2'型反応によりプロリン側鎖部位に相当するC3アルキル鎖(CH_2CH_2CH_2OTBS)の導入と(Z)型アルケンの構築を位置及び立体選択的に行い、続いてこのC3アルキル鎖のアリル基への変換を経由したアルキルホウ素体への変換後、分子内鈴木カップリング反応によりプロリン環状骨格部位を構築している。そこで本年度は、より効率的にcis-Xaa-Pro型イソスターを得ることを目的にanti-S_N2'型反応によって直接アリル基を導入することを試みた。種々条件を検討した結果、CuCN存在下allylboronate-TBATでγ-phosphoryloxy-α,β-unsaturated lactamを処理すると、目的の反応が効率よく進行することを見出した。さらに本条件を用いて新たに他のcis-Xaa-Pro型イソスター(Xaa=Ser, Tyr)合成を行った。本研究成果は現在Tetrahedron Lettersに掲載予定である。
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Research Products
(4 results)