2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01809
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江波 進一 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 対流圏 / 成層圏 / ハロゲン / エアロゾル / オゾン破壊サイクル / ペロキシラジカル / 反応速度定数 / 衛星観測 |
Research Abstract |
対流圏におけるヨウ素化合物と塩素原子の反応を明らかにした。ヨウ素化学は最近の大気化学でもっとも注目されている分野であり、これまでその存在が予想されていたCH_3I-Cl錯体を分光学的にはじめて検出することに成功した。またCH3I+Clの反応速度定数を決定し、過去の報告値と一致した。またCH_3CH_2I-Cl,CH_2ClI-Cl,CH_2BrI-Cl,CH_2I_2-Cl,C_3H_7I-Cl,C_4H_9I-Cl,C_6H_5I-Cl,C_6F_5I-Cl,CH_3C_6H_4I-Clの吸収断面積をはじめて決定することができた。それらのすべての錯体が酸素分子と反応しないことを見出し、大気でのFateは熱分解であると結論付けた。 成層圏における重要な中間体の一つであるClOO錯体と一酸化窒素の反応を初めて測定した。ClOOと反応種の速度定数は過去に報告値がほとんどなく、それらを決定することは重要であるが、特に成層圏においてもっとも重要と考えられるNOとの反応速度定数をはじめて決定することに成功した。その結果がオゾン破壊サイクルでどのような役割を果たすかを評価した。またClOOはCH_3O_2やC_2H_5O_2といったペロキシラジカルの一種と見ることもでき、新しいペロキシラジカルの反応の一例として非常に重要な発見であった。 われわれはダイオードレーザーを用いた連続光のキャビティーリングダウン分光法を開発し、その応用として赤外域でのCO2の回転線の圧力広がりについての研究を行った。われわれの結果を用いることによって衛星観測において有用なデータを提供することができた。
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Research Products
(4 results)