2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化による電子特異的一次元ナノ空間の創造と分子配列制御
Project/Area Number |
05J01814
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 玉青 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポルフォリン / 分子チューブ / 協同的自己組織化 / 共役系分子 |
Research Abstract |
共役系高分子は導電性や非線形光学特性・電界発光特性などを発現することから盛んに研究されている。中でも近年、分子内にπスタック構造を持つ高分子が、結合を介して共役する従来の共役系高分子よりも高い電荷移動特性を発現することが報告されており、高分子主鎖においても空間を介したπ-π相互作用が重要であることを示している。 本研究では、種々の分子間相互作用を利用して一次元π共役系分子ワイヤ2本を自己組織化したのち、共有結合でつないでやることにより、主鎖の共役だけではなく、向かい合う分子同士ともπ-π相互作用することにより、チューブ全体が空間を介して共役する分子チューブを創造する。得られる分子チューブは分子ワイヤ上の結合を介した共役系だけではなく、分子ワイヤ同士の空間を介したπ共役系が拡張すると期待でき、従来の共役系高分子とは異なる電子・光機能の発現が期待できる。 具体的には、末端に二重結合を有する側鎖をメソ位に導入したポルフィリン亜鉛錯体を合成し、更にこれをジアセチレン結合でつなげることにより、共役系分子ワイヤを合成した。ポルフィリン亜鉛錯体部分に軸性二座配位子であるジアザ[2.2.2]ビシクロオクタン(DABCO)を配位させ、協同的自己組織化によりポルフィリン分子ワイヤ2本より成るラダー型錯体を形成させた。このラダー型錯体をオレフィンメタセシスにより共有結合で固定させ、ポルフィリン分子ワイヤから成る分子チューブの合成に成功した。ポルフィリンフリーベースを高希釈条件下、オレフィンメタセシスを行うことによって、環状二量体の合成も行った。環状二量体においては、向かい合うポルフィリン環平面同士はπ-π相互作用していることを確認した。
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Research Products
(2 results)