2006 Fiscal Year Annual Research Report
選択的分子捕捉、輸送、および変換能を持つナノポーラス集積型錯体の創製
Project/Area Number |
05J01822
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀毛 悟史 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 多孔性材料 / ガス貯蔵 / 触媒 |
Research Abstract |
本申請者は金属イオンと有機配位子からなる多孔性金属錯体(多孔性錯体)の吸着能に関する研究を合成および解析の両面から深く検討することにより、以下に述べる新たな機能を見出した。すなわち1.複雑なミクロ孔を持つ多孔性錯体について固体NMR法を用いることによって、細孔に取り込まれた小さなガス分子が高い異方性を有しながら吸着することを観測し、バルクでは見られない新たな分子の集合構造を取りうることを確認した。2.多孔性構造を構築する有機配位子にスルフォネート基を導入することにより、細孔表面にゲストと相互作用が可能なアルカリカチオンを持つ多孔性錯体を合成し、その化合物がアセトンやベンゼンなど塩基性分子に対して高い吸着能を有することを見出した。この際ゲストと相互作用できるアルカリカチオンが分子補足に非常に効果的に働いていることをX線および分光学的手法を用いて定量的に確認した。3.多孔性錯体の構造中に、ゲストの吸脱着によって柔軟に動きうる部位を導入し、かつ多孔性骨格の化学特性に高い疎水性を付与することにより、その柔軟性と疎水性を利用した各種溶媒分子の高い吸着選択性を持つ化合物の合成を行った。特にメタノールと水の吸着において高い分離能が示唆され、既存の多孔性材料とは異なるメカニズムに起因した新たな分子選択性の発現を行った。4.多孔性錯体の骨格中に酸性ゲストと相互作用できるアミド基を規則的に配列させることにより、不均一塩基性触媒能を持
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Research Products
(6 results)