2005 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームを用いた有機合成及び新規高分子重合システムの開発とその応用
Project/Area Number |
05J01823
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金谷 啓一郎 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | センスコドンサプレッション / サプレッサーtRNA / 非天然タンパク質 / アミノアシルtRNA合成酵素 / 大腸菌 |
Research Abstract |
今年度は、リボソームによる新規高分子重合法の開発のため、新たな遺伝暗号拡張法である、"センスコドンサプレッション法"の開発を試みた。センスコドンサプレッション法とは、任意のセンスコドンに対して非天然基質に割り当てる手法であるが、従来のセンスコドンサプレッション法ではin vitroタンパク質合成溶液に特殊な操作を加えなければならず幅広い応用は困難であり、また、細胞内における非天然タンパク質の合成への応用は不可能であった。そこで、私は、簡便かつ細胞内での応用も可能な新しいセンスコドンサプレッション法の開発を行った。 私が開発したこの新センスコドンサプレッション法は、特定のアミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)の阻害剤を利用することにより特定のセンスコドンを"空き"コドンへ変化させ、そこへサプレッサーtRNAによって非天然アミノ酸を導入することにより、選択的かつ高効率でセンスコドンの書き換えを実現した。さらに、このセンスコドンサプレッション法は、複数個のセンスコドンを同時に書き換えることも可能であり、3種類以上の非天然基質を含む変異ペプチドの合成にも成功した。また、本手法は、大腸菌内における,(in vivoでの)センスコドンの書き換えにも応用可能であった。以上の結果は、この新センスコドンサプレッション法が、リボソームによる様々な機能性ペプチドを自動合成する普遍的手法への可能性を秘めていることを示唆している。
|
Research Products
(4 results)