2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01874
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大藪 由美子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 古人骨 / 受傷痕 / 実験考古学 / 弥生時代 |
Research Abstract |
弥生時代の復元武器を用いて切創を作成する実験を行った。これまで、傍証的に語られていた弥生時代の古人骨に残る傷痕の原因武器について、より実証的に原因武器を明らかにすることを目的として行っている。実験には、弥生時代の武器の精巧なレプリカ(打製石剣、磨製石剣、銅剣)と弥生時代の鉄剣の代用として現代の鉄製斧を使用し、ニホンザルの新鮮骨に切創を作成した。各武器による切創は、表面と断面の形態を実体顕微鏡にて観察し、比較分析を行った。傷痕の表面形態の特徴として、打製石剣による傷痕は不定形な数条の条線ができることが大きな特徴であり、他の武器による傷痕は一本の条線ができただけであった。断面の形態的特徴としては、石製の武器による傷痕では、金属製武器による傷痕より幅が広くなり、幅と深さの関係をみると、深さに対してより幅広くなっている。一方、金属製武器による傷痕では鋭いV字状の形態的特徴を示し、幅が狭く深い傷痕になった。また、二種類の金属製武器による傷痕の比較では、鉄製の斧による傷痕でより幅が狭く、深い傷ができる傾向にあった。傷痕の形態分析により、石製と金属製の武器による傷痕の違いが明確になり、今後、古人骨における受傷痕の原因武器の推定に役立つと考える。本研究の成果は、第59回日本人類学会大会で発表した。 他に、打製石剣、磨製石剣、銅剣を用いて、軟部組織を残した状態の骨格で切創作成実験を行った。さらに、これら実験研究と並行して、受傷痕の残る骨資料のデータ収集と傷痕の写真撮影ならびに顕微鏡での断面観察を進めた。
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Research Products
(4 results)