2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01899
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂田 大治 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | IP / TP / プロスタノイド / 免疫系 / 接触皮膚炎モデル / EP1 / Th1 / 胸腺 |
Research Abstract |
1、まず胸腺におけるTP及びIPの役割を解析すべく、マウスへのLPS投与による胸腺萎縮モデルの確立を行い、主にIP欠損マウスで見られる表現型についての検討を行った。通常、マウスに適量のLPSを投与すると24時間以降に胸腺の萎縮が見られる。この時の胸腺重量及び胸腺細胞サブセットの経時変化を野生型マウスとIP欠損マウスについて比較検討した。現在までのところ、野生型マウスとIP欠損マウスとの間で優位な差は認めていないが、オータコイドとしての性質上、プロスタノイドの効果は限定的であると考えられるので、引き続きLPSの投与濃度等について検討中である。 2、IP欠損マウスに接触皮膚炎モデルを適用し、野生型マウスとの表現型の比較を行った。IP欠損マウスでは野生型マウスと比較して免疫反応の増悪傾向が見られ、またハプテン感作5日後の所属リンパ節においてリンパ球数の優位な増大を認めた。一方、in vitroでの混合リンパ球反応では、IP特異的アゴニストがT細胞の増殖及びサイトカイン産生を抑制するという結果を得ている。 3、上記の研究に加えて、プロスタグランジン受容体の一つであるEP1の欠損マウスの免疫系における解析も進行中である。このマウスに接触皮膚炎モデルを適用させると野生型マウスと比較して免疫反応の有意な減弱が認められる。またハプテン感作5日後のリンパ節においてIFN-γ産生細胞が野生型マウスと比較して有意に減弱しており、Th1型細胞の分化異常が認められた。EP1欠損マウスの表現型はIP欠損マウスで認められた表現型と逆のパターンを示すものであり、個々のプロスタノイドがそれぞれ異なった免疫反応の制御に関わること示唆している。EP1欠損マウスから得られた知見を元に、IPを介したシグナルがT細胞の分化を制御する可能性も視野に入れつつ、免疫系での役割について更なる解析を進める予定である。
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