2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者のQOLの改善と痴呆予防に対する笑いの有効性についての検討
Project/Area Number |
05J01912
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
広崎 真弓 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 笑い / 質問紙 / 認知機能 / 地域高齢者 / 健康科学 |
Research Abstract |
1.笑いの有効性の検討を行うための第一段階として、笑うという行動に注目し、日常生活における個人の笑いを評価する質問紙の開発を試みた。関西および中国地区の18歳から81歳の男女1151名を対象に笑いに関する調査票の配布回収を行い、集計結果に因子分析を実施した。解析の結果より、6因子32項目からなる笑いの質問紙を作成した。各因子の信頼性係数(α係数)は、0.64から0.88の間であった。 2.認知機能に対する笑いの影響の予備的検討として、大学生・大学院生の男女37名を対象に、クロスオーバーデザインにより、コメディービデオ視聴、コントロール映像視聴の前後において、単語の再生・再認テストによる記憶検査および質問紙による心理的評価を行った。その結果、コメディー試聴時とコントロール映像試聴時で再生テストの正答率の変化に有意な差がみられた。 3.地域在住高齢者を対象に、週1回約2時間、全10回からなる笑いと運動コース(漫才や落語の鑑賞+座位でのリズム運動など)を実施した。7月開始の前半群(男性4名・女性10名、平均年齢68.4歳)と10月開始の後半群(男性2名・女性10名、平均年齢69.9歳)に分け、開始時、前半群終了時、後半群終了時の3回、各種健康診断と質問紙調査を行った。コース参加の継続率は100%であった。前半群の介入時期と後半群の非介入時期の比較を行った結果、介入時期において、骨密度が有意に増加し、主観的な健康度も有意に改善する傾向がみられた。
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