2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着斑裏打ちタンパク質による細胞運動制御機構の解明とその可視化技術への応用
Project/Area Number |
05J01938
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
満島 勝 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子細胞生物学 / アクチン細胞骨格 / 増殖因子シグナル伝達 / 細胞運動 / 足場依存性 |
Research Abstract |
1.ビネキシンによるERK2活性化の足場依存性制御機構の解明 当研究員はこれまでにビネキシンがERK2活性化の足場依存性制御に関与し、増殖因子刺激依存的にビネキシンとERK2が結合し、リン酸化される事を明らかとしている。そこで、この制御機構に関して解析を行った。その結果、ビネキシンはERK2に結合し、ERK2の活性化状態を持続する事を明らかとした。この効果は、ビネキシンによる足場非依存的なERK2の活性化にも重要である事を明らかとした。 2.ビネキシン-ビンキュリン結合によるアクチン骨格制御機構の解析 ビネキシンはアクチン細胞骨格制御に関与する事が示されている。そこで、ビネキシンとアクチン束化因子であるビンキュリンの相互作用介したアクチン細胞骨格に与える影響について解析した。ビネキシンは活性化状態のビンキュリンに強く結合する事をin vitro、in vivoの解析により明らかとした。ビネキシンβはビンキュリンの結合依存的に接着斑に局在するが、ビネキシンαはビンキュリンとの結合非依存的にも接着斑に局在できる事を明らかとした。更に、ビネキシンのアクチンに与える影響はビネキシンαで強く、ビネキシンの接着斑への局在が重要である事を明らかとした。 3.ビネキシンによるアクチン重合核形成促進因子WASPファミリータンパク質の制御機構の解析 当研究員は前年までに、ビネキシンが細胞運動制御に関与するアクチン重合促進因子であるWASPファミリータンパク質と結合しそのリン酸化を促進する事を見出していた。更なる解析から結合を介し、WAVE2のプロテアソーム依存的なタンパク質分解を抑制し、安定化する事を明らかとした。阻害剤を用いてこのWAVE2安定化に関与する因子を検討したところ、PKAの活性が重要である事を見出した。また、WAVE2およびビネキシンがPKAと複合体を形成する事を見出した。
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Research Products
(2 results)