2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J01968
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 哲也 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 筋音図 / 筋収縮 |
Research Abstract |
本研究の目的は、筋線維機械的活動特性の評価方法としての「筋音図」の臨床意義を、具体的な応用を通じて確立することである。初年度は、まず下腿三頭筋・上腕二頭筋・大腿四頭筋の静的収縮における筋音図測定の装置作成に取り組み、筋音図振幅値に関して表面筋電図と同様に高い再現性を得た。また、骨上に実験的に固定した筋音図センサーからの波形と実際の筋音図波形を比較検討することにより、筋音図波形に対してより体動Artifactの影響が少ない装置を作成した。さらに、筋音図の解析コンピュータプログラムの作成と解析条件の検討を行った。実践研究への準備が整った上で、運動トレーニング・運動療法に関連し、筋音図の応用が有効であると予測される事項に関するデータの収集を健常者において開始した。 まず、高強度運動によって引き起こされた遅発性筋痛の発生〜回復過程における筋音図の変化について被験者14名にて検討したところ、遅発性筋痛の発生に伴って最大随意収縮中の筋音図振幅値が有意(P<0.05)に増大した。このことは、筋音図が筋肉痛の発生過程の一側面を反映する可能性を示唆する。しかし、筋音図センサーと筋組織の中間にある皮膚の弾性変化等を考慮すると、Calibrationの必要性も新たに検討する必要がある。 現在、筋線維機械的疲労へのストレッチングエクササイズの効果について筋音図を用いて検討中である。また、現場で実際に行われる運動形態として大部分を占める動的運動に関する筋音図データを所得し、その信頼性と有用性を現在解析中である。
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