2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ras/MAPキナーゼシグナル伝達経路調節因子Sefの機能解析
Project/Area Number |
05J01980
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥居 暁 東北大学, 大学院生命科学研究科, 助手
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Keywords | ERK MAPキナーゼ / Sef / 調節因子 / スプライシング / Sprouty / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
ERK MAPキナーゼは細胞外刺激によって活性化し多彩な生命現象の制御に関与する。ERKの機能する場所及び活性化持続時間が細胞応答の特異性決定の重要な要因となっていると考えられている。これまでの研究で私はSefがこの経路の空間的な調節因子として機能することを明らかにした。近年SefのスプライシングアイソフォームであるSef-Sが見出されており、その機能解析を行った。Sef-Sは細胞質に局在し活性型MEKと結合した。しかしERKの核内移行は阻害せず、むしろ増殖刺激依存的なElk-1の活性化を促進することがわかった。Sef-SによってSefの活性型MEKへの結合が阻害されたことから、Sef-Sが優勢不能型として機能するのではないかと考えられる。 ERKの活性化の持続時間を制御する調節因子としてSprouty(Spry)が報告されておりその機能はSpryのチロシンリン酸化依存的であることが示されている。このSpryのリン酸化に関してさらに解析を行った結果、Spry1もSpry2も増殖刺激依存的にリン酸化されるがSpry1の方がより早い時間のみ(刺激後10分から30分)リン酸化されることがわかった。それに対してSpry2は刺激後30分以降からリン酸化が増えることがわかった。Spry2は細胞内で微小管様の局在を示し、微小管重合阻害剤であるノコダゾールで微小管を壊すとSpry2の局在も細胞質全体に広がる。ノコダゾール処理時のSpry2のリン酸化を調べた結果、そのリン酸化が早まる(刺激後15分から)ことがわかった。逆に微小管脱重合阻害剤のタキソールで処理するとSpry2は微小管同様にバンドル化した局在をとり刺激後30分以降のリン酸化が減ることがわかった。このことからSpryは空間的な制御を受け、その結果としてチロシンリン酸化の時間的な制御を受けていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)