2006 Fiscal Year Annual Research Report
プレニルトランスフェラーゼの構造機能相関と代謝工学への応用
Project/Area Number |
05J02011
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小原 一朗 京都大学, 生存圏研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | プレニルトランスフェラーゼ / 膜タンパク質 / 代謝工学 |
Research Abstract |
p-ヒドロキシ安息香酸(PHB)プレニルトランスフェラーゼ(PPT)ファミリーの酵素機能を解明するため、昨年度はLithospermum erythrorhizon p-hydroxybenzoic acid geranyltransferase(LePGT)をモデルにして、分子内に存在する三カ所の高保存領域(R-(x)_5-N-(x)_3-D-(x)_4-R-(x)_3-RP、W-(x)_4-DxxY-(x)_3-D-(x)_3-D-(x)_6-S)及びY-(x)_3-KRへ部位特異的変異導入を行った。各変異酵素を酵母をホストとした発現系に導入発現させ、酵素活性を測定を測定したところ、PPTファミリーの酵素活性において中心的な役割を担っているのが、高保存領域中の高度に保存されたアスパラギン酸残基(D87、D91、D208)であることを明らかにできた。これらの部位特異的変異導入酵素に加えて、プレニル基質としてGPPに高い特異性を示すLePGTと、長鎖のプレニル二リン酸を基質にできる大腸菌のユビキノン生合成系のUBIAとのキメラ酵素を7種類作成し、酵素活性測定、並びに酵母によるユビキノン生成を指標とした相補試験を行った。その結果、両酵素のプレニル基質特異性の相違がN末端側の領域に由来することを明らかとした。またキメラ酵素の基質に対するKm値などの生化学的データから、N末端領域のアミノ酸が直接プレニル二リン酸との結合に寄与していることが示唆された。 一方で、結合型プレニル転移酵素の構造生物学的解析を目指したLePGTの大量発現系及び精製条件の検討も行い、昆虫細胞をホストに用いてC末端にHis-tagを付与したLePGTを大量発現させ、発現した組み換えLePGTの界面活性剤による可溶化の最適化、Ni-NTAアガロースを用いたアフィニティー精製条件の最適化を行い、酵素活性を保ったままCBB染色レベルでほぼ単一のバンドにまで精製することに成功した。本年度は、この精製酵素を用いて、酵素機能のキャラクタライズを行った。その結果、精製LePGTは可溶化などの精製ステップにより、その酵素化学的性質に大きな変化を受けていないことを確認した。 以上のように本年度はLePGTとUBIAとのキメラ酵素の作成とその解析によりプレニル基質の鎖長を認識する領域を明らかにするとともに、立体構造解明にむけた精製LePGTの基礎的な酵素化学的データの蓄積を行った。
|
Research Products
(1 results)