2005 Fiscal Year Annual Research Report
竹材のバイオキャラクターを活用した新規利用システムの開発
Project/Area Number |
05J02012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡久 陽子 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 竹材 / 生物劣化 / デンプン / 遊離グルコース / 季節変動 / 成分分布 |
Research Abstract |
当初の計画の「竹材のバイオキャラクターを活用した新規利用システムの開発」のうち、「竹材の基礎的性能と生物劣化特性の解明」をテーマに遂行した。 竹材中の糖分及びデンプン量の季節変動を調査した結果、遊離グルコースは秋から冬にかけて、デンプンは夏に最も少なくなることが判明した。また、それらの成分とイエシロアリ食害では明確な関係が見られなかったが、木材腐朽菌被害では遊離グルコース量との間に相関関係が確認された。 以上は、「Seasonal and height-dependent fluctuation of starch and free glucose contents in moso bamboo (Phyllostachys pubescens) and its relation to attack by termites and decay fungi」としてJournal of Wood Scienceに投稿し、受理された。また、国際学会6^<th> International Wood Science Symposium(バリ、インドネシア)において研究報告を行った。 さらに詳細に竹材中の糖分及びデンプン含有量の分布を確認するため伐採直後の竹材の高さ0,2,4,6,8,10,12,14mから試料を取り出し、測定した。また、高さ0,2,4,6,8,10mから取り出した試料を内皮側から外皮側にかけて5等分し、測定した。その結果、遊離グルコース量は高さ0mの地点で最も多く、それ以外はほぼ同量であり、デンプン量は6mの地点で最も多く、それより下部、また上部に行くに従って減少するという傾向が確認された。また、どの地点のものも、内皮側に多く外皮側に行くに従って減少した。特にデンプン、下部の試料でこの傾向が顕著に確認された。現在、これらの違いが、柔細胞の数の違いから生じるものか、細胞中の蓄積量の違いからなのかを調査するため顕微鏡観察を行っている。
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