2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤澤 匡志 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 木質炭化物 / SiC / 熱電変換 / 熱電特性 / 多孔質 / パルス通電過熱 / 性能紙数 |
Research Abstract |
本研究は、高温度域(300〜600℃)で使用でき且つ高効率を示す熱電変換材料を作製し、それを用いてデバイス化を検討することを目的とする。本年度は「SiC熱電変換ナノ材料の熱電特性評価とその実験系の確立」を研究目的とし研究を遂行した。 研究概要として、木質炭化物と二酸化ケイ素を原料としパルス通電加熱法を用いて開発したSiC熱電変換ナノ材料の高温度域(800℃)までの熱電特性の評価とその実験系の確立を行った。熱電特性評価法として、室温から高温度域におけるSiC熱電変換ナノ材料のゼーベック係数(起電力値)、電気伝導率、熱伝導率を測定し、性能指数を計算した。その結果、ゼーベック係数、電気伝導率、熱伝導率とも高温度域ほど値は改善し性能指数は高温度域ほど高い値を示す結果を得た。また、性能指数の向上を目指しSiC熱電変換ナノ材料の作製時における焼結温度条件(1400℃〜1800℃)および配合比(二酸化ケイ素の添加元素量)を検討した結果、焼結温度が高いほど性能指数も向上する結果を得た。また、配合比においては木質炭化物と二酸化ケイ素の配合比が1対1で作製した試験体において最も高い性能指数を得た。そこで、さらなる性能の向上を目指しSiC熱電変換ナノ材料の酸化による多孔質化を行った。実験手順として、これまで作製してきた試験体を大気中で700℃、2時間加熱し残留炭素を除去することで多孔質なSiC熱電変換ナノ材料を作製した。測定結果として、ゼーベック係数(起電力値)は大きく向上し熱伝導率も大幅に改善した。その結果、性能指数もより大きく向上した。
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Research Products
(2 results)