2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤澤 匡志 京都大学, 生存圏研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 木質炭化物 / 炭化ケイ素 / SiC / 熱電変換 / 熱電特性 / 多孔質 / パルス通電加熱 / 性能指数 |
Research Abstract |
本研究は、高温度域(300〜600℃)で使用でき且つ高効率を示すSiC熱電変換ナノ材料を作製し、それを用いてデバイス化を検討することを目的とする。本年度は「科学的手法による機能性発現機構の解明と熱電変換デバイスの開発」を研究目的とし研究を遂行した。 研究概要として、木質炭化物と二酸化ケイ素を原料としパルス通電加熱法を用いて開発したSiC熱電変換ナノ材料においてx線分析機器、電子顕微鏡等を用いた微細構造解析と最も高い熱電性能を示したSiC熱電変換ナノ材料においてデバイス化を検討した。SiC熱電変換ナノ材料および酸化処理により残留炭素を除去し多孔質化した多孔質SiC熱電変換ナノ材料においてx線回折およびラマン分光分析を行った結果、β型のSiCが形成できていることが確認できた。また、エネルギー分散型X線分光装置を搭載した走査型電子顕微鏡観察より、SiCは木質炭化物表面をコーティングするように形成していることが確認できた。多孔質SiC熱電変換ナノ材料においては酸化処理による残留炭素の除去が確認でき、多孔質化が促進していることが分かった。細孔分布測定装置により平均細孔径を測定した結果、材料作製時の焼結温度1600℃のサンプルにおいて最も大きい値である2.75μmを示した。デバイス化の検討においては、最も高い熱電性能を示した多孔質SiC熱電変換ナノ材料を用いて行った。従来のπ型モジュールからのデバイスの作製を検討した結果、本研究では高温度域での使用を目的としているため材料と基盤との間の接合剤を検討する必要性があった。そこで、多孔質材料中にガスを流すことでの温度差を発生させ熱電発電を可能とする新たな熱電変換デバイスを検討した。その結果、多孔質材料中をガスが流れることが確認できたことより、この新たな熱電変換デバイスは高温度域で使用でき且つ高い発電効率を示すデバイスであることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Renewable Energy
Author(s)
M.Fujisawa, T.Hata, H.Kitagawa, P.Bronsveld, Y.Suzuki, K.Hasezaki, Y.Noda, Y.Imamura
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Journal Title
Thermoelectric properties of SiC/C composites (accepted)