2005 Fiscal Year Annual Research Report
チームマネジメントによる危機対応型組織の構築に関する一考察
Project/Area Number |
05J02072
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深見 真希 京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CRM(Crew Resourse Management) / BRM(Bridge Resourse Management) / チームマネジメント / 海難救助 / 危機管理 |
Research Abstract |
本研究は、組織(チーム)レベルに主眼を置いた危機管理がテーマであるが、実践的見地から政策レベルも視野に入れている。 組織(チーム)レベルでは、CRM(Crew Resource Management)を中心に研究を続けている。まず、日本では体系的にまとめられた文献がないので、欧米で使用されているCRMのテキスト翻訳(平成19年夏頃出版予定、ミネルヴァ書房)を行った。CRMの原則(チームレベルにおけるソーシャル・スキルの強化)は様々な業界で応用されているが、船舶に応用したBRM(Bridge Resource Management)について、国際海洋政策研究センター(海上保安大学校)で参与観察やインタビュー調査を行った。BRMもまとまった文献がないので体系的にまとめ、「ブリッジリソースマネジメント-国際条約遵守の人的資源管理-」(京都大学大学院 経済学研究科 ワーキングペーパーNo.J-47)として発表している。また、平成18年度から発足した京都市消防局「スーパー・コマンド・レスキュー・チーム」を対象に、CRM原則がどの程度危機対応現場のチーム作業に有用なのか、質問票調査をおこなった。その結果をふまえ、参与観察を続けている。 政策レベルでは、海難救助制度の事例研究をおこなった。その成果は、「(社)福岡県水難救済会80年史」への寄稿および、「地域安全とNPO・ボランティア」 (『よくわかるNPO・ボランティア』76頁、ミネルヴァ書房)で発表した。水難救済会は、海難事故対応を使命とする民間団体であるが、組織運営の実態や他当局の関係、緊急かつ危険な作業を担うボランティア人材の背景など、民間危機対応組織の実態について明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)