2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
羽倉 信宏 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 運動感覚 / 視覚 / 多感覚統合 / 身体 / 刺激選択 / 運動錯覚 / 操作感 / 視覚優位性 |
Research Abstract |
異なる感覚様式から得られる情報(視覚、運動感覚)を統合することによって、我々は自己身体の空間位置を把握している。運動感覚情報は身体部位特異的な情報(どの身体部位がどこにあるのか)を脳に入力するが、視覚情報は網膜に映るすべての情報を脳に入力する。よって、両感覚を統合して、特定身体部位の位置を算出するためには、まず運動感覚に対して適切な視覚情報の選択がなされる必要がある。本年度の研究では、運動感覚と統合される視覚情報の性質を調査した。 被験者は右手の屈曲するような運動錯覚(手首伸筋の腱への振動刺激)を経験しながら、振動刺激されている自分の手の静止画像、もしくは事前のトレーニングによって自分で随意に動かせることを知っそいる黒い円の静止画像を観察した。運動錯覚経験中に実際には動いていない手を見ると運動錯覚量が減少することは前年度の研究で明らかになっているため(Hagura, et. al.,2007)、もし、運動錯覚中に観察する対象が黒い円であっても錯覚の減少がみられれば、「自分で動かせる」という視覚対象についての知識が、運動感覚と統合可能な視覚刺激を選択する際の手がかりとして重要であることとなる。 結果、運動錯覚は、振動刺激されている手を見ているときでも、自分で動かせる黒い円を見ているときでも、閉眼時の錯覚量と比較して有意に減少することが示された。よって、自分で見ている対象を動かせるという知識(Feeling of Agency)が、脳が運動感覚情報にとって適切な視覚情報の選択をする過程に寄与することが示された。
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Research Products
(11 results)