2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト奥行き知覚過程における多重性に関する脳機能イメージング法による研究
Project/Area Number |
05J02093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 哲也 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 奥行き知覚 / 運動知覚 / 形態知覚 / 立体運動効果 / グレーティング / 輝度コントラスト / 機能的MRI / 脳機能イメージング |
Research Abstract |
両眼視差、運動手掛かり、絵画的手掛かりといった多重的な手掛かりの協調によって達成される奥行き知覚の内、運動手掛かりと絵画的手掛かりの関係の変化が奥行きの知覚に影響を与えるような視覚刺激を新たに考案し、その特性を調べる心理物理実験を行った。視覚刺激には三日月形の立体運動効果(SKE)刺激に輝度コントラストによるグレーティングのテクスチャーを付けたものを用い、グレーティングの方位や輝度コントラストの大きさを変数とした。方位に関しては、ある特定の方位ではグレーティングが加わっても奥行きの知覚に変化は生じなかったが、それと直行する方位ではグレーティングの輝度コントラストが大きくなるに連れて奥行きの知覚が抑制されて行った。この傾向は多くの実験協力者に見られたが、元々の三日月形SKE刺激に奥行きを見出せない協力者では、特定の方位のグレーティングの輝度コントラストが大きくなって行った時にのみ奥行きの知覚が促進された。よって、運動、形態、テクスチャーといった視覚刺激属性の間には共通な関係性があるものの、いくらかの個人差があることが示唆された。これらの属性が奥行きの知覚にどのような関係性を持って作用しているかを調べるために、fMRIによる実験を考案し、その準備を進める一方で、両眼視差、運動知覚、形態知覚が脳のどの領域で中心的な役割を担っているかを確かめるためのfMRI実験も行った。それぞれに対して賦活した領域を解析の対象領域とし、前述の三日月形SKE刺激のグレーティングの輝度コントラストの大きさや方位の変化に対し、どのような脳活動を示すかを今後調べる予定である。
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Research Products
(1 results)