2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩成 勇 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リジッド幾何 / 変形理論 / トーリック幾何 / 代数スタック / 対数的幾何 / チャウ環 / 特異点 |
Research Abstract |
私は17年度中に主に次の二つのテーマに研究を行った.(1)リジッド解析空間の変形理論.(2)トロイダル幾何学の代数スタックによる新しい手法導入と応用.双方特に今のところ関連があるとは思われないテーマなので,以下にそれぞれ別に17年度中にあった進展を述べる.(1)について.昨年度の研究に引き続き,次の問題を考察した.それは,リジッド解析空間の変形をコホモロジーにより,理解することである.昨年度までは,これはイリュージーによる環付トポスの変形理論からすぐ理解できると思っていたが,出来ないことがわかった.一般にリジッド解析空間の層は,非アルキメテス的解析関数を含むため普通のケーラー微分の層は大きすぎるのである.そこでリジッド解析空間のための余接複体の理論を作る必要がでてくる.私はそのような理論を形式スキームの理論を使って作ることで解決した.(2)について.トロイダル特異点をもつ(つまりエタール位想で局所的にはトーリック多様体がもつ特異性)代数多様体に対し,それをあたかもスムースな幾何学をするような方法を発見した.私は,トロイダル特異点を持つ代数多様体に対し組織的に非常に自然なスタックを構成しもとの多様体と関係づける理論を得た.トロイダル特異点をもつ代数多様体Xが与えられると,対数的幾何の言葉でかける圏が現れ,その圏がXを粗ラジュライとしてもつスムースなスタックになっていることを発見し示した.またそのスタックはスタックの圏の中で極小特異点解消になっていることを示した.つまり,X上の幾何学で特徴付けられる.その他,様々なよい性質を満たしていることを示した.トロイダル特異点を持つ代数多様体の中で特にトーリック多様体多様体の場合が興味深い.私はこの場合にそのトロイダルスタック上のカルティエ因子,ピカール群をファンの言葉で与えた.二次元のトーリック多様体から得られるトロイダルスタックのチャウ環の研究し,それは常に滑らかなトーリック多様体のように振舞うことが発見された.そのほか,トロイダルスタックの理論の応用として代数曲面の特異点解消への応用があることを見出した.
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