2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラプラシアンのスペクトラル密度関数を用いて、多様体とその基本群を研究する。
Project/Area Number |
05J02105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾國 新一 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | スペクトラル密度関数 / 離散群 |
Research Abstract |
離散群Gのノヴィコフ・シユービン不変量などのL^2-不変量を定義する際,スペクトラル密度関数を用いることが自然であるが,これは,分類空間BGが有限型などのよい条件を満たす場合にしか定義できていなかった.そこで,スペクトラル密度関数の族を考えることによって,一般の離散群に対して,スペクトラル密度関数と呼ぶのにふさわしいものを定義した,もちろん,有限型の場合には同じものを定めることが確認できる.これによって,ノヴィコフ・シュービン不変量や二義的ノヴィコフ・シュービン不変量を一般の離散群に対して定義できる.ノヴィコフ・シュービン不変量の定義はリュックなどによって,スペクトラル密度関数を用いずに,一般の場合に拡張されていたが,ここで定義したものと一致していることを確認できる.一般化されたスペクトラル密度関数を用いることによっていくつかの定理が一般化され,自然な記述にできる.つまり,いくつかの定理の仮定が不要になる.また,ケーリーグラフ上のランダムウォークなどに応用できる. また,不変測度を持つ適当な条件を課した擬群に対しても(一般化された)スペクトラル密度関数を定義できる,これが不変測度を持つ擬群のあいだの森田同値で不変であることも示せる.しかしながら,いまのところ,群の簡単な作用から決まる場合にしか計算できないので,横断的に不変な測度を持つ葉層構造から決まるホロノミー擬群の場合などで計算したいと考えているところである.
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Research Products
(1 results)