2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笠谷 昌弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダブルアフィンヘッケ環 / 多項式表現 / マクドナルド多項式 / 表現論 |
Research Abstract |
私は、A型(GL型)ダブルアフィンHecke環の多項式表現を研究した。代数の持つパラメータが一般の時は多項式表現が既約になることがすでに知られている。私は、代数のパラメータがどのような関係式を満たすときに表現の既約性が崩れるかを調べ、そのようなパラメータの元で現れる部分表現の有限増大列I_1,I_2,…,I_Nを、Laurent多項式に対する零点条件を用いて統一的に記述した。この部分表現の列は多項式表現の組成列になっていることが期待される。私は実際にいくつかの部分についてはこの予想を直接的に証明し、特にもっとも小さい部分I_1については、既約性の証明に加え、非対称Macdonald多項式を用いて具体的な基底を記述した。 この研究成果については、2005年度日本数学会年会および第8回代数群と量子群の表現論研究集会において成果発表を行った。 また、このI_1についてはPasquier, Di-Francesco, Zinn-Justinらにより変形量子Hall効果や量子Knizhnik-Zamolodchikov方程式との関連があることが最近指摘された。この点について、私は、フランスCEAサクレー研究所所属のPasquier氏と研究打ち合わせを重ね、I_1のある部分空間と、円盤上のリンクパターンのなす空間が、互いにアフィンTemperley-Lieb代数(アフィンHecke環のある商代数)の双対表現の関係になっていることを導いた。 この件については、京都大学数理解析研究所および数学教室とソウル大学数学教室との若手数学者交流会において、成果発表を行った。
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Research Products
(2 results)