2005 Fiscal Year Annual Research Report
相転移における弾性場や静電相互作用などの長距離相互作用の果たす役割の研究
Project/Area Number |
05J02120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南 暁彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 相転移 / 弾性場 / 静電相互作用 |
Research Abstract |
本研究計画で当初より実行予定であった、三次元結晶における欠陥生成のダイナミクスを記述するモデルを構築し、それをPhysical Review B誌(Phys.Rev.B72,100101(R)(2005))および国際会議における紀要集(Proceedings of the 3rd international workshop on complex systems(2005))に投稿した。またこの内容に即した学会発表も幾つか行っている。それとはまた別に、散漫な相転移を見せる系を弾性理論を用いて記述する事に成功した。固体ではメゾスコピックスケールでの理論が殆どと言ってない中、メゾスコピックスケールで有効な理論を用いて今までまともな理論のなかった散漫な相転移を記述できる事を示した意義は多大である。本件は日本物理学会(松山)にて発表した。また、論文の形式で近々発表する予定である。ソフトマターでの秩序形成に関しても同時に研究を行った。静電相互作用に伴うパターン形成がソフトマターで重要であることも示した。特にLangmuir膜上の液晶系で双極子相互作用が安定なラメラ構造や高次の欠陥構造に寄与する事を示し、国際会議で発表した。本件は現象論的な理論としてあいまいな理解がされていたものの、その結合項の起源や正当性に関しては殆ど理解されておらず放置されていた。当研究では双極子の水面に対して垂直成分がLangmuir膜での秩序形成に寄与していることを明らかにした。この結果は近々論文の形式にまとめる予定である。さらに実験家とのディスカッションを行う事でアキラルな分子系にも拡張することが将来的な目標である。
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Research Products
(2 results)