2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
銭廣 十三 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不安定核 / 中性子スキン / 中性子密度分布 / 陽子弾性散乱 / RIBF |
Research Abstract |
現在原子核物理の分野では、不安定核において顕著になる様々な現象(中性子スキンやハロー等)が注目を集めている。これに伴って、安定核をターゲットにしてきたこれまでの加速器にかわり、不安定核の大強度ビームを使用できる加速器が新たに建設されている。日本においても理化学研究所に大強度不安定核ビームファクトリー(RIBF)が建設され完成した加速器の調整が行われており、本年度(2007年度)から実験が開始されてきた。すでに我々は安定核において陽子弾性散乱から中性子密度分布を正確に抽出することに成功してきた。この方法を不安定核に応用することで、中性子過剰な不安定核で見られる中性子スキンの起源を明らかにするため、放射線医学総合研究所での実験を進行中であり、理化学研究所のRIBFでの主要プロジェクトとして実験準備、開発を行ってきた。 その後、不安定核での逆運動学を用いた反跳陽子弾性散乱測定を可能にする検出器群である反跳粒子スペクトロメータ(RPS)の開発及びテスト実験を、理化学研究所や放射線医学総合研究所、東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンターにある加速器を用いて行なってきた。9月には更に統計量を上げるためのHIMACで行う予定の核子あたり300MeVの200不安定核ビームによる陽子弾性散乱の本実験を成功させ、現在解析中である。また、11月には実験計画が承認され、来年度から我々の実験が行われる予定である。またこの6月に、阪大RCNPでの実験の研究成果である酸素アイソトープの媒質効果及び中性子密度分布についての報告を、東京で開催されたINPC2007において口頭発表をした。現在はこれまでの研究成果を論文にまとめる作業を進行中である。
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Research Products
(1 results)