2005 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論から導かれる、世代構造とフェルミオンの質量、混合角の起源について
Project/Area Number |
05J02131
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 圭次郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 弦理論 / 超対称性 / 現象論 / 標準理論 |
Research Abstract |
素粒子論標準理論と超弦理論をつなぐモデルのひとつであるIntersecting D-braneについて相互作用の選択則の定式化を行った。 標準理論の適用範囲に限界があることが確かである一方、その高エネルギー側で重力も含め矛盾なく接続可能な理論として今のところ超弦理論のみが候補となっている。しかしながら、超弦理論自体が一意的に標準理論を導く手段を内包しているという大胆な予想の下に非摂動的解析が試みられてはいるが現在までに成功していない。そこで、10次元時空のコンパクト化によって形成されるであろう6次元内部空間の構造を仮定し、摂動論的描像の範囲内で超弦理論の長所を保ったままに標準理論につなぐUV-completionとしてString phenomenologyを考えることができる。その有力なモデルの一つがIntersecting D-braneである。 Intersecting D-braneモデルによって低エネルギーで標準理論の湯川相互作用や世代構造を再現できればUV(高エネルギー)側で矛盾を起こさない一つのモデルが初めて構成できることになるが、これもやはりCKM行列の混合角まで含めると完全なものは今のところない。このためコンパクト空間のトーラス上でのD-braneの配位と相互作用を持ちうる状態との関係を簡潔な形にまとめることで今後の解析に役に立つようにした。具体的には湯川相互作用の場合3つのD-braneの相対的な位置と角度でworld-sheet上のインスタントン効果としての相互作用の形が定まるので、その幾何学的な関係を整数論的に整理することで簡易な選択則となった。これを用いて解析を進めトーラス上の3組のD-braneでは最大限3つのHiggs粒子を許しても湯川相互作用を再現するパラメーターが存在しないことが分かった。新たな拡張の方向を検討している。
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Research Products
(1 results)