2005 Fiscal Year Annual Research Report
改良型4π検出器の開発によるシータ粒子の光生成とそのパリティの解明
Project/Area Number |
05J02140
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中津川 洋平 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ペンタクォーク / SPring-8 / LEPS / 4π検出器 / 位置分解能 |
Research Abstract |
本年度、4π検出器Time Projection Chamberについてはその設計を終え、既に製作過程に入っているが、いくつかのトラブルにより未だ完成には至っていない。ただし、検出器の読み出し部分のみに関してはいくつかの性能試験を行うことができたのでそれらについて報告する。 1 Pad Response Functionの測定 TPCは荷電粒子の飛跡を3次元的に再構成するが、その読み出し平面上での位置はcathode padに誘起される電荷の重心を求めることで得られるため、実際のpadの応答関数(Pad Response Function)を調べることはTPCの位置分解能を向上させるために重要である。Pad Response Functionとしては多くの場合Gaussianが用いられるがシュミレーションの結果、Gaussianよりも正しく実際のPad Response Functionを表すと考えられる関数を考案した。そこで、X線源とTPCの読み出し部分を用いてもPad Response Functionを実際に測定した結果、新たに考案した関数のほうがGaussianよりも実際のデータをよく再現していることがわかった。 2 読み出し平面内の位置分解能 逆コンプトンγ線からの電子・陽電子対生成による電子線を用いてTPC読み出し部分に対し位置分解能の測定を行った。その結果、位置分解能は電子線の入射角が0度、12.5度、25度の時、それぞれ133μm、163μm、331μmとなった。角度が大きくなると目標値である300μmに達していないが、1で求めたPad Response Functionが完全には正しいものでないことなどいくつかの原因が挙げられ、改善の余地はあると考えており、解析を続行中である。
|