2005 Fiscal Year Annual Research Report
高赤方偏移における超新星の発生頻度と宇宙の星形生史に関する観測的及び理論的研究
Project/Area Number |
05J02143
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
織田 岳志 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超新星爆発 / 星形成史 / 可視光サーベイ / 観測的宇宙論 |
Research Abstract |
本研究課題の最終的な目標は超新星の発生頻度の宇宙論的進化の解明し、そこから宇宙の星形成史やIa型超新星の遅延時間をもとめることであるが、現在または近い将来、どのような超新星探査からどのような観測量をどの程度の精度で得ることができたら、どれくらいの成果が得られるのかは必ずしも自明ではない。そこで理論的なモデル計算を通して、この問題を詳細に検討した。その結果、撮像観測によって発見される超新星の総数と、その中に占めるIa型超新星の割合が、この問題に対して重要な観測量であることがわかった。さらに現在検討されているSupernova Acceleration Probe計画やJames Webb Space Telescopeによる超新星探査においてこの二つの観測量を得る場合をシミュレートし、これらの計画が本研究課題の目的に対しても非常に有効な計画であることを確認した。(発表論文参照) また実際にすばる望遠鏡に搭載されている主焦点高視野カメラで得られていた6視野分のデータの解析をした。この結果、約200個の超新星の候補天体を見つけることに成功した。100個を超える超新星を集めた例は今まで数例しかなく、しかもすべて我々の近傍の超新星であった。しかし今回のサンプルには、現在の観測限界である赤方偏移が1付近にある超新星が多数含まれており、他に類のない非常に貴重な超新星サンプルとなっている。また、このデータを用いて超新星の発生頻度等に制限を与えることにも成功した。詳細な結果については現在検討中であり、結果は論文として出版する予定である。
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