2007 Fiscal Year Annual Research Report
高赤方偏移における超新星の発生頻度と宇宙の星形成史に関する観測的および理論的研研究
Project/Area Number |
05J02143
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
織田 岳志 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 観測的宇宙論 / 超新星爆発 / 銀河の進化 / 星形成史 |
Research Abstract |
本研究では、超新星探査で得られるデータを用いて、高赤方偏移における超新星の発生頻度に制限を加え、Ia型超新星の起源を探ることや、これまでとは全く独立に宇宙の星形成史に制限を求めることを目標としていた。本年度は、昨年度までに得られていたすばる望遠鏡超新星探査の結果と、他の超新星探査で得られた発生頻度に関するデータを組み合わせた、超新星の発生頻度研究のための現時点での最大の超新星データを用いて、宇宙の星形成史に関する制限を得ることを試みた。結果、赤方偏移z<1における宇宙の星形成史は、超新星探査から求めたものと、銀河探査から求まるものはよく一致することがわかった。またII型超新星の平均的な減光量が現在に比べ多くなっているという示唆もえられた。これらの結果は超新星の性質、起源、また銀河の進化を理解する上で非常に重要な結果となっているだけでなく、将来の超新星探査に向けての先駆け的な研究として非常に重要な意味を持っており、論文としても公表されている。また、Subaru XMM-Newton Deep Fieldにおける超新星探査の結果やすばるを使った新たな超新星探査の結果も論文として公表することができた。さらに現在では、これらの新しい観測結果を基に、Ia型超新星の起源についての非常に重要な観測結果を得ることができ、現在論文を投稿中である。また、超新星の発生頻度の宇宙論的進化、宇宙の星形成史へのさらに厳しい制限を得るための解析を行っているところである。
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