2005 Fiscal Year Annual Research Report
小型イオン蓄積リングでのビーム軌道の運動量分散制御並びに3次元結晶化ビームの実現
Project/Area Number |
05J02183
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田邉 幹夫 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | イオン蓄積リング / レーザー冷却 / 結晶化ビーム / 運動量分散 |
Research Abstract |
1.運動量分散制御用電極の性能評価 (1)目的:イオン蓄積リング'S-LSR'では、^<24>Mg^+ビームをレーザー冷却することにより、極低温ビーム、さらには3次元結晶化ビームを実現する実験を計画している。この際、ビーム偏向部でShearing forceが存在すると、結晶化ビームの蓄積が困難となる。このShearing forceを打ち消すためには、通常の偏向磁場に重畳して半径方向外向きの電場を発生させ、磁場と電場の強度が一定の条件を満たせばよいことが分かった。この効果は同時に、ビームの運動量分散(Dispersion)の制御にもつながる。 (2)評価手段:電極の設計、製作は終了している。偏向要素1台を用いた、N_2^+ビームの偏向実験において、ビームの運動エネルギーとビーム軌道についてのデータが得られ、解析して電極の性能評価を行った。 (3)結果:電場と磁場を適切な条件にすると、ビームエネルギーの±5%程度の範囲内でLinear dispersionの打ち消しが実現している。さらに電場と磁場の強度比を変えることで、Dispersionを調整できることが判明している。 2.イオン源の立ち上げ レーザー冷却実験はMg^+ビームで行うため、このビーム供給が出来るスパッタ型イオン源の立ち上げを行った。まず、合流マグネットの磁場測定を行い、イオン源ビームラインの設計を行った。次いで、ビーム入射ラインに合流するまでの、各要素の精密据付けを行った。イオン源からビーム引き出しを行うために、^<40>Arガスをスパッタガス、ターゲットにMg板を用いることで、^<24>Mg^+ビームが最大1μA程度引き出せている。 3.今後の実験に向けた準備 イオン源からのビームエミッタンスの評価を行い、最終的な入射パラメータを決定、ビーム入射、蓄積を行うことを予定している。また、実験に必要なレーザーの立ち上げやパラメータ計算などの準備も進めている。
|