2006 Fiscal Year Annual Research Report
小型イオン蓄積リングでのビーム軌道の運動量分散制御並びに3次元結晶化ビームの実現
Project/Area Number |
05J02183
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田邉 幹夫 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イオン蓄積リング / レーザー冷却 / 結晶化ビーム |
Research Abstract |
1.イオン蓄積リングS-LSRにおけるMg^+ビームの入射・蓄積 昨年度、立ち上げを行ったイオン源を用いて、イオン蓄積リングS-LSRへのMg^+ビームの入射と蓄積を行った。最終的に、ビームの運動エネルギー40keV、蓄積電流は約1μAのビーム蓄積を実現した。また、蓄積されたビームのベータトロン振動数の測定を行った。 2.レーザー冷却実験のためのレーザーシステムの立ち上げ レーザー冷却実験に用いるレーザーの準備を行った。まず、色素レーザーにおいて波長560nmのレーザー光が発振すること、ならびにレーザーの周波数を30GHzの範囲でスイープできることを確認した。次いでこのレーザー光を倍波生成器に入射し、目的とする280nmのレーザー光の生成を行った。また、このレーザー光を蓄積リングのレーザー冷却部へ導入するための、光学系の設計と精密設置を行い、レーザー光がこの冷却部を通過できるようにした。 3.Mg^+ビームの1次元レーザー冷却実験 上記1,2で準備したMg^+ビームとレーザーを用いて、蓄積ビームのレーザー冷却実験を行った。まず、レーザーの周波数を固定し、誘導電圧加速器を用いてビーム速度をスイープする方法で冷却実験を行った。その結果、進行方向のmomentum spreadが最初、約3×10^<-3>程度であったものが、冷却後、約4×10^<-4>程度になり、進行方向の冷却効果を確認した。また、レーザーの周波数をスイープして、蓄積ビームと作用させた。その結果、レーザー周波数のスイープにしたがって、ビーム周回周波数が変わる様子を観測した。 4.Mg^+ビームの3次元レーザー冷却実験の準備 リングに蓄積したビームをバンチ化して、ビームの高速3次元冷却の準備を行っている。また、vertical方向のビームサイズ測定を行うための冷却CCDカメラシャッター系の整備も進めている。
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Research Products
(1 results)