2005 Fiscal Year Annual Research Report
STM-BH法によるドーパントの直接観察と界面空間電荷層の原子レベル評価
Project/Area Number |
05J02204
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 賢吾 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 半導体 / ドーパント / STM / BH / 原子分解能 / 電子状態 |
Research Abstract |
本研究の目的は、半導体中の不純物原子(ドーパント)の分布、及びその電子状態を原子レベルでSTM(走査トンネル顕微鏡:Scanning Tunneling Microscope)を用いて評価することである。STMにより半導体表面のドーパント分布を得るとともに、BH(Barrier Heght)を計測することによりドーパント原子の電子状態を知り、その区別を原子分解能で得ることを試みている。 今年度は、STM-BHによる実験をn型GaAs及びp型GaAsについて行った。バイアス電圧、及びトンネル電流を変化させつつ、STM像及びBH像を得た。n型のものでは低バイアス、高電流側でドーパントサイトでのBHの低下の傾向を確認できた。しかしながら、高バイアス、低電流側ではドーパントサイトでBHが上昇していた。また、p型のものではさらに複雑で、低バイアス、及び高バイアス側ではドーパントサイトでBHが上昇の傾向をしめしていたが、その中間領域ではドーパントサイトでBHが低下する傾向をしめしていた。当初、P型のドーパントではBHが上昇し、n型のドーパントではBHが低下すると考えていた。しかしながら、実験結果からは単純にBHが上昇したり、低下するのではなく、複雑に上昇、低下していた。このことより、ドーパント原子の電子状態が非常に複雑になっていることが示唆される。 今後は、低温での実験を行い、ドーパント原子の電子状態の詳細について研究する予定である。
|
Research Products
(1 results)