2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリンナノマテリアル(リング、シート、チューブ)の開拓
Project/Area Number |
05J02213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 泰之 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポルフィリン / 縮環ポルフィリン / π共役 / 芳香族性 / 近赤外吸収 / ホスト・ゲスト化学 |
Research Abstract |
縮環ポルフィリン多量体は大きく拡張されたπ共役を持っており、吸収帯が近赤外〜赤外領域にまで届くことやきわめて小さいHOMO-LUMOギャップを持つなつなど非常に興味深い性質をもつことから色素材料や電気伝導性分子の候補などとして関心を集めている。これまでの研究でポルフィリンが直接的に結合した環状多量体の合成に成功し、これらが天然のアンテナ系に近い高速の励起エネルギー移動を分子内で起こしていることを報告した。今回この多量体を合成前駆体として、これまで直線形状のみであった縮環ポルフィリンの構造の二次元(平面)への拡張を行った。合成された平面正方形型4量体(ポルフィリンシート)は吸収特性が直線型縮環ポルフィリン多量体とは大きくことなるが、分子軌道を解析することによってこのことを説明することができた。また、ポルフィリンシートは中心部に平面のシクロオクタテトラエン(COT)構造を持つため、芳香族性について興味が持たれる。分子内の亜鉛原子への配位を用いたホスト・ゲスト錯化を用いることにより、ポルフィリンシ-トがCOTに起因すると思われる反芳香族的な誘起磁場効果を持つことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] A Directly Fused Tetrameric Porphyrin Sheet and Its Anomalous Electronic Properties That Arise from the Planar Cyclooctatetraene Core
Author(s)
Y.Nakamura, N.Aratani, H.Shinokubo, A.Takagi, T.Kawai, T.Matmumoto, Z.S.Yoon, D.Y.Kim, T.K.Ahn, D.Kim, A.Muranaka, N.Kobayashi, A.Osuka
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Journal Title
Journal of The American Chemical Society (印刷中)