2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02218
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小比賀 真吾 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 3価インジウム / ルイス酸触媒 / タンデム反応 / ジヒドロイソキノリン |
Research Abstract |
3価インジウムは主としてカルボニル基やイミノ基などの活性化に有効であることが知られているが、前年度行ったラジカル環化反応の結果から、3価インジウムが3重結合の活性化についても有効であることが示唆された。この継続として本年度は、3価インジウムの併せ持つhardなルイス酸性とsoftなルイス酸性をうまく活かした反応の開発を目指し、研究の新たな展開を図った。その結果、ortho-alkynylarylaldimineに対して、触媒量のIn(OTf),存在下、求核剤としてallylstanane試薬を作用させると、イミン部への求核剤の付加と、アルキン部への6-endo型環化反応が連続的に進行し、対応する1,2-dihydroisoquinolineが収率良く得られることを見出した。反応基質のhardな塩基であるC-N2重結合とsoftな塩基であるC-C3重結合が、期待通り3価インジウムによって適切に活性化された結果と言える。他の求核剤についても検討した結果、silyl enol etherや活性メチレン化合物を用いた場合にも、同様のタンデム型付加環化反応が円滑に進行することが分かった。反応をNMR実験で追跡したところ、本反応は反応基質や求核剤の性質に応じて(1)イミン部へ求核剤が付加した後、生成した金属アミド種が3重結合に6-endo型で付加する機構、あるいは(2)3価インジウムによって基質分子の3重結合が活性化されることで、イミニウム種が生成し、これに求核剤が付加する機構のいずれかを経由していると考えられる。また、よりハードな官能基であるC-O2重結合を分子内にもつortho-alkynylarylaldehydeを反応基質とした場合も、In(OTf)_3触媒は基質を有効に活性化し、同様のタンデム環化反応によってisochromene骨格を収率良く得ることができた。
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Research Products
(1 results)