2007 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属酸化合物の多孔構造形成とナノ構造フォトニクスへの展開
Project/Area Number |
05J02224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 順子 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | チタニア / ゾルーゲル法 / 光の局在化 / ランダム媒質 / 共連続構造 / 相分離 / マクロ多孔体 / ランダムレーザー |
Research Abstract |
コヒーレント後方散乱測定と時間分解光子輸送測定を組み合わせることでランダム媒質として用いたTiO_2多孔体内での光の平均自由行程と光の拡散定数を測定し、その多孔構造依存性を評価した。媒質に吸収がある場合、光が局在した場合と類似した散乱光分布を示すため、光の散乱現象を観測するためには、正確な測定と注意深いデータ解析が必要となる。そのため、コヒーレント後方散乱においては広い角度範囲が測定可能な光学系を作製して、より正確に散乱光分布を測定することを目指した。時間分解透過光測定においては、媒質内での光の拡散定数を求めた。入射パルスを応答関数として得られたスペクトルをデゴンボリューションすることで、拡散定数の時間変化を調べることが可能となった。後方散乱測定において最も光の平均自由行程が短い試料において、拡散定数を定数とした場合よりも時間依存を導入することによって測定スペクトルを正確に再現することができたため、光の局在近傍の状態であることが示唆された。また、TiO_2多孔体の細孔内に蛍光色素溶液を浸透させることでランダムレーザを作製し、散乱強度の高い多孔体においてレーザ発振を確認した。散乱強度が高い材料中では、多重散乱光は時間反転成分との干渉により強め合うため、ループが形成される。そのため、利得媒質内での滞在時間が長くなり、光増幅が起こったものと考えられる。
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Research Products
(2 results)