2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリン自己集合体における構造と光物性の相関に関する研究
Project/Area Number |
05J02230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細水 康平 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラーレン / ポルフィリン / 自己組織化 |
Research Abstract |
昨年度から引き続き研究を行っていたフラーレン結合デンドリマー系についての研究成果をまとめ、米国のJournal of Physical Chemistry C誌にて発表することができた。フラーレンデンドリマーの分子構造が各種の巨視的な諸物性に影響を与えることが分かり、明確なデンドリマー世代効果を示すことができた。 現在はポルフィリン誘導体の会合体形成特性について研究を行っている。これまで水溶液中で選択的にJ-会合体を形成させたという報告はなされていない。より選択的にJ-会合体形成を水溶液中で行うために、疎水性基であるアルコキシ基を導入することで水溶性ポルフィリンTPPS(=Tetraphenylporphine Tetrasulfonic Acid)に両親媒性を持たせた。導入した疎水性鎖の長さに従って、会合体の溶液中での構造を制御できるということがAFM像やcryo-TEM像から分かった。また紫外-可視吸収スペクトルから、両親水媒性ポルフィリンは従来のTPPSとは異なり、より選択的に塩酸水溶液中でJ-会合体を形成していることが分かった。このことから各ポルフィリンの遷移双極子モーメントの方向は揃っていると考えられ、フィンランドのTampere大学Tkachenko教授と高速フォトダイナミクス測定を行う予定である。既に構造特性については3月の日本化学会にて口頭発表を行った。また、各種電気化学的特性が変化すると考えられるので会合体の電子移動度を測定する。より詳細な各種物性をまとめて、速報として論文を投稿する予定である。
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Research Products
(3 results)