2005 Fiscal Year Annual Research Report
"細胞内遺伝子検出システム"を用いる薬剤高速スクリーニング系の構築
Project/Area Number |
05J02240
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成田 敦 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 遺伝子検出 / シグナル増幅 / レポーター蛋白質 / リボレギュレーター / 一塩基変異 / RNaseH |
Research Abstract |
今年度は、生細胞内における遺伝子発現を高精度で識別・高速検出する活性分子スクリーニング系構築実現に向け、細胞外で行われていた遺伝子検出・診断を、全て生細胞内で行おうとする"細胞内遺伝子検出"の開発を試みた。生体等温条件下にて酵素・試薬等を必要とせず、細胞内での遺伝子を認識、シグナル増幅、さらに診断を行うことのできる生細胞内遺伝子検出・診断法の構築を行った。 私が設計・合成した自己切断型遺伝子診断プローブ(TASCプローブ)は生体等温条件下にて酵素・試薬等を必要とせず、遺伝子を認識、シグナル増幅、さらに診断を行うことのできる画期的な手法であったが、生細胞内遺伝子検出に用いるために、蛍光・消光分子からの脱却が必要であった。そこで、細胞自身の蛋白質翻訳システムを用いた遺伝子検出・診断系の構築を目指した。具体的には、標的遺伝子存在下においてのみmRNA自身が高次構造変化を起こし、レポーター蛋白質発現が開始されるようなリボレギュレーターを構築した。 レポーター蛋白質として酵素活性を有するルシフェラーゼを採用することで、二段階の触媒的検出を試みた。HIV関連遺伝子であるケモカインCCR5遺伝子を標的としたリボレギュレーターをデザインしたところ、50fmolの検出感度で標的遺伝子を検出できることが確認された。さらに一塩基変異の識別も可能であった。本系は細胞内のシステムを用いた遺伝子診断法であり、細胞膜内への展開も期待できる。また、本系にRNaseHを作用させることで、三段階の触媒的検出をも可能とし、in-vitroにおいて9fmolの検出感度を実現するとともに、遺伝子配列検出シグナルの可視化にも成功した。
|
Research Products
(5 results)