2006 Fiscal Year Annual Research Report
"細胞内遺伝子検出システム"を用いる薬剤高速スクリーニング系の構築
Project/Area Number |
05J02240
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
成田 敦 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 遺伝子発現検出 / SELEX / aptamer / シグナル増幅 |
Research Abstract |
生細胞内における遺伝子発現を高精度で識別・高速検出する活性分子スクリーニング系構築実現に向け、細胞外で行われていた遺伝子発現検出・診断を全て生細胞内で行おうとする"細胞内遺伝子検出"の開発を引き続き行った。細胞膜内でのS/N比が克服すべき問題であると考え、当初、酵素活性を有するシグナル増幅型遺伝子診断プローブ(TASCプローブ)を考案・作成し、良好な結果を得た。しかし、"細胞適合性"という興味深い課題点を追求すべく、新たに"非修飾RNAを用いた遺伝子診断"というコンセプトを提案し、現在、下記2課題を同時に展開している。 1;in-vitroにおいて良好な結果を得たMB-mRNAプローブ(標的遺伝子存在下においてのみmRNA自身が構造変化を起こしてレポーター蛋白質発現が開始される)の生細胞内利用に向け、ランダム配列をORF上流に導入したMB-mRNAプローブ転写用プラスミドを用意し、現在in-vivo selectionを行っている。さらに、真核細胞内での"細胞内遺伝子検出"に向け、新たな細胞適合型遺伝子検出系の構築を実施、検討を行っている。 2;特定核酸配列結合型蛍光性小分子の開発と遺伝子発現検出への応用を試みた。核酸選択的蛍光色素を改変し、より高次な核酸の"特定配列/構造"に結合した場合にのみ蛍光を発する機能性蛍光分子の開発を行った。特定の配列を有するDNA, RNAの蛍光検出を可能とするだけでなく、認識核酸配列をうまく設計することで非修飾核酸を用いた標的核酸配列の検出への応用も可能である。従来法とは一線を画し、天然型核酸プローブと蛍光色素が独立しており、細胞内での応用を容易にするのみでなく、コスト面でも有利である。具体的には、よく知られる蛍光核染色剤Hoechstの類似体ライブラリを作成した。分光学的、熱力学的評価を行い、ライブラリの中から蛍光性を維持しながらも、B型DNAには結合しない類似体の探索に成功している。現在、SELEX法を用いて、探索したHoechst類似体に特異的に結合し蛍光発光を誘起するRNA配列(aptamer)の選抜を実施している。
|
Research Products
(3 results)