2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02261
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
持田 浩治 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 警告色 / 捕食-被食の相互作用 / 形質間の相互作用 / 鳥嶼での進化 / 相関した進化 / 緯度クライン / イモリ |
Research Abstract |
動物の住む世界は様々な色で彩られている。なかでも鮮やかな色彩は、その目立ちやすさから人の目にとまり、興味を引きつけるものであった。警告色と呼ばれる、不味さと関連づけられる目立つ体色を持つ動物の中には、その色彩に様々な種間や種内の変異がみられる。研究者は日本固有種であるアカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)を対象動物として、この変異のメカニズムの解明に取り組んでいる。本年度の研究により、イモリの警告色の多様な変異が、緯度クライン・島嶼化といった地理的影響によって維持されていることが明らかになった。また警告色と関連が示唆される形態形質や行動形質の変異との相関や、イモリの生息域における生物・非生物的な環境調査の結果により、これらの地理的影響は、ローカルなスケールでの被食・捕食圧による違いによってもたらされるものであることが推測された。以上の結果は、以下の2点において非常に興味深いものである。来年度に残された研究テーマの1つである分子系統樹の作成により、形質間に働く相互作用が警告色の進化においてどのように働いてきたかを明らかにすることが期待される。これは進化・比較生物学を研究する誰もが興味を持つ研究手法の1つである。またこのような形質間の相互作用が、地理的に変化する被食・捕食者の両面からのプレッシャーをうけていること、つまり、これら相互作用が、空間的にダイナミックに変化していることを意味する。このように時間的、空間的な視点でみる警告シグナルの進化の研究は、これまでに報告されていない。
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Research Products
(1 results)