2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内輸送系を支える液胞選別輸送レセプターのリサイクルのための分子機構の解明
Project/Area Number |
05J02266
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 美紗子 京都大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞内輸送 / シロイヌナズナ / 液胞 / オルカネラ形成機構 |
Research Abstract |
高等植物の種子は次世代の芽生えに必要な栄養源として,大量の貯蔵タンパク質を登熟期に蓄える.貯蔵タンパク質は小胞体でプロ型前駆体として合成され,小胞輸送によりタンパク質貯蔵型液胞に運ばれた後,ブロセシングを受けて成熟型になる.細胞内の輸送機構に関する分子レベルでの知見は不足しているが,所属研究室では貯蔵タンパク質の液胞選別輸送機構の解析を通じ,新たな知見を集めることに成功している.液胞選別輸送レセプターAtVSR1はその代表例である.私はこの液胞選別輸送機構にレトロマー複合体が関与することを明らかにした.現在その成果について論文を執筆中である. また,レトロマー複合体欠損変異体は,貯蔵タンパク質の輸送異常だけでは説明のつかない表現型を示した.レトロマー複合体を欠損した植物体は生育に異常をきたす.これはレトロマー複合体による標的タンパク質のリサイクル(再利用)が適切に行われていないからだと考えられる.現在はこの原因となる標的タンパク質の候補として,オーキシンの排出トランスポーターであるPINが有力であると注目し,解析を続けている.具体的には架橋剤を用いた共免疫沈降による解析や,GFPにより可視化したPINタンパク質の細胞内局在の蛍光顕微鏡解析などである.
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