2006 Fiscal Year Annual Research Report
脂質恒常性に関わるABCGファミリー蛋白質の膜輸送と複合体形成機構の解明
Project/Area Number |
05J02303
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平田 崇 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ABC protein / 脂質 |
Research Abstract |
ABCGタンパク質は一つの膜貫通領域とATP結合領域を持つ膜タンパク質で、二低体を形成して脂質や薬剤の輸送に関与すると考えられている。ヒトではABCGl、G2、G4、G5、G8の5つのホモログが存在し、G1、G2、G4がホモニ低体を形成して細胞膜に局在するのに対して、G5とG8はホモニ低俗を形成すると小胞体に局在し、ヘテロニ低俗を形成すると初めて細胞膜に局在することが明らかとなっている。本研究では小胞体におけるG5、G8のホモニ量俗とヘテロニ量俗を見分ける機構を明らかとすると共に、その機構によるABCG5/G8の機能活性の制御を明らかにすることを目的としている。 1、本年はまず、膜タンパク質をベイトとして用いることのできる酵母Two-hybrid法にて相互作用因子の探索を行った。それにより、数種の分子が同定された。今後それらの分子が、ABCG5とABCG8の局在や機能活性にどのように影響を与えるのかを調べる予定である。2、昨年ABCG5、G8の小胞体での分解機構について調べたところ、G5、G8ともに半減期2、3時間で速やかに分解されることが明らかとなった。しかし、G5はプロテアソーム阻害剤で分解が抑制されるのに対し、G8は顕著には抑制されず、他の分解機構の存在の可能性が考えられた。小胞体での分解はプロテアソームを除くとあまり報告はなく、新規の分解機構の可能性が考えられた。現在は、その分解機構を検討している。3、ABCG5/G8の細胞内での制御機構は、細胞を用いたABCG5/G8の機能活性の測定系がないため、未だ報告がない。そこで、ABCG5/G8の機能活性の測定系を立ち上げることにした。現在、G5とG8を安定的に発現した細胞を樹立し、その細胞を用いてステロールの排出活性を検討している。
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