2006 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母Cut1/Cut2複合体の間期における新機能の研究
Project/Area Number |
05J02328
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安達 陽 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分裂酵母 / コヒーシン / Rad21 / リン酸化 / DNA損傷 / 分裂期 |
Research Abstract |
これまでの結果として、分裂酵母においてDNA損傷が起こると染色体の接着に必須の機能を果たしているコヒーシン複合体の一員であるRad21がRad3キナーゼ依存的なリン酸化修飾を受けることを示した。また、Rad21内のRad3キナーゼリン酸化標的部位をアラニンに置換した非リン酸化型のRad21遺伝子組み込み体を作製したが、DNA損傷に感受性は示さなかった。これはDNA損傷後にリン酸化を受ける部位がまだ残存しているためではないかと考え、Rad3キナーゼと同じくDNA損傷後に活性化することが知られているCds1キナーゼの欠損変異体を用いてDNA損傷後のRad21の修飾の変化を見たところ、野生株に比べて減退していたことからCds1キナーゼもRad21のリン酸化に関与していることが示唆された。そこで、試験管内反応によりCds1キナーゼがRad21を基質としてリン酸化しうること、また、Rad21内にあるCds1キナーゼリン酸化標的部位をアラニンに置換した遺伝子組み込み体ではDNA損傷後のリン酸化修飾が減退していたことから、DNA損傷後にはRad3,Cds1キナーゼの両方がRad21に対してリン酸化修飾を行っていると考えている。また、Rad21のリン酸化修飾については通常の細胞周期の分裂期においても更なるリン酸化修飾を受けることが質量分析を用いた実験によってわかった。他の生物ではこの分裂期特異的なコヒーシンのリン酸化について様々な報告がなされているが、分裂酵母においてはまだ何もわかっていない。この残基に対するリン酸化抗体の作製、及び非リン酸化型の遺伝子組み込み体の表現型について、現在解析中である。
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