2007 Fiscal Year Annual Research Report
必須微量元素セレンを含有するタンパク質の生合成機構
Project/Area Number |
05J02340
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒川 優 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 必須微量元素 / セレン / セレンタンパク質 |
Research Abstract |
セレンは必須微量元素であると同時に毒性が高い元素である。生体内のセレンは主にセレンタンパク質として存在し、生殖、酸化還元、発生などに関与している。セレノシステインはシステインの硫黄がセレンに置き換わったアミノ酸でおる。セレノシステインは翻訳後修飾で生じるのではなく、翻訳時に、終止コドンであるUGA により指定されるごとでポりペプチド鎖に挿入される。この詳細な機構は不明であ。本研究はこの特殊なセレンタンパク質の生合成機構を明らかにすることを目的としている。 本年度は、前年度にセレノシステインの分解および、セレンタンパク質生合成機構にセレンを供給すると考えられたセレノシステインリアーゼのマウス個体内での局在から機能相関を解析した。具体的には、マウスの組織(脳、腎臓、肝臓、.精巣)のパラフィン切片を作製し、抗セレノシステインリアーゼ抗体により、セレノシステインアーゼの免疫染色を行った.本研究では、セレノシステインリアーゼはセレンタンパク質の生合成に重要な働きをするセレノプロテインPの運はれる部位に多く発現していることが示された。 また、セレンタンパク質の生合成に必須と考えられ、セレンタンパク質の mRNA に結合し、翻訳を制御する SBP2 の抗体を作製し、同様に組織を染色したところ、精巣において、精子細胞のミトコンドリアが形成される段階に強く発現が誘導されていることが観察され、この局在はセレノシステンリアーゼの局在と一致した。
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Research Products
(3 results)