2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02343
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入江 直樹 京都大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 筋形成 / RNA干渉 / Cirl-3 |
Research Abstract |
骨格筋は多細胞動物において広く保存された器官であり、筋系列の細胞分化を誘導する転写因子群も同様に多細胞動物間で広く保存されている。本研究ではこの視点に基づき進化的な保存性をひとつの指標として、筋形成に重要な役割を担うであろう遺伝子群を同定・解析することを目的としてきた。候補にあがったCirl-3(Calcium independent receptor for α-Latrotoxin 3)遺伝子に対して、融合タンパク質および特異抗体を用いた様々なin vitro実験を行うことで、細胞外領域がタンパク質レベルで限定的分解によるプロセシングを受けていることが示唆された。また、このプロセシングを受けると思われるモチーフが進化的に保存されていることも確認した。これは脊椎動物全般で同プロセシングが機能的に行われている可能性を示唆するものであり、未だリガンドが知られていない同様の構造を持った遺伝子群にもあてはまる可能性がある。さらに我々は様々なほ乳類ゲノムの解読が進んでいる点に着目し、各生物種におけるCirl-3遺伝子の上流配列の解析を行うことで、Cirl-3を調節しうる転写因子群の候補を得た。 しかし、未だCirl-3遺伝子の筋形成における役割は決定できていない。そこで様々なバイオインフォマティクスデータベースを活用した解析も平行して行い、その目的でさらに進化的祖先が発現していたであろう遺伝子群をより正確に特定する方法の開発を行った。こういった経緯により今年度はCirl-3の解析に加えて、派生的に得られた「発生形態形成過程において保存された胚段階の特定」に成功し、これまで形態学的にしかその存在が確認されていなかった脊椎動物に固有の形態を与えるとされる胚段階、ファイロティピック段階を遺伝子レベルで同定することに成功し、論文としてBMC Biology誌に発表した。
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Research Products
(1 results)