2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02343
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入江 直樹 Kyoto University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 発生砂時計モデル / 進化 / 進化発生学 |
Research Abstract |
動物群に特徴的な器官である筋肉系組織は、多細胞動物群において広く認められる。また、その筋肉系組織(特に骨格筋)の形成機構も筋系列の細胞分化を誘導する転写因子群などが多細胞動物間で広く保存されており、筋系列形成遺伝子群の進化的な保存性を示唆する。本研究ではこういった進化的視点に基づき、進化的保存性をひとつの指標として、筋形成に重要な役割を担うであろう遺伝子群を同定・解析することを目的としてきた。昨年度は、様々なバイオインフォマティクスデータベースを活用した解析も平行して行うことで、進化的祖先が発現していたであろう遺伝子群をより正確に特定する方法の開発も行った。これは、いかに進化的に祖先型の遺伝子を探索するかという方法論を模索中に、保存された胚段階を同定する手法を開発したものである。こういった経緯により今年度は派生的に得られた「発生形態形成過程において保存された胚段階の特定に関する研究」をさらに推し進めることを行った。昨年度は公共データベースよりデータを取得し解析を行うのみに留まったが、今年度からは、実際にあらたにマウスなどの脊椎動物胚からGeneChipを用いて遺伝子発現情報を取得し、解析を推し進めている。この解析は京都大学メディアセンター所有の大型計算機を使用することで可能となった。これにより、少なくともマウス胚では、脊椎動物進化の初期に獲得したと思われる多数の発生関連遺伝子群を脊椎動物に固有の形態を与えるとされる胚段階(ファイロティピック段階)周辺で発現していることが示唆された。これは、昨年度BMC Biology誌に発表した結果と矛盾しない結果であり、現在行っているゼブラフィッシュ遺伝子発現情報との種間比較解析により、さらなる展開が期待されるものである。
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Research Products
(2 results)