2006 Fiscal Year Annual Research Report
コーカンド・ハーン国期におけるフェルガナ・ムスリム社会の形成とイスラーム
Project/Area Number |
05J02387
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
河原 弥生 (財)東洋文庫, 研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | コーカンド・ハーン国 / 民間所蔵史料 / スーフィズム / 聖者伝 / カシュガル・ホージャ家 / マザール / 聖者裔 / 系譜 |
Research Abstract |
2006年度は現地調査にて聞き取り調査につとめるとともに、これまで行ってきた聖者裔の系譜書やイルシャード・ナーマ(免許状)、聖者伝の研究成果の発表に力を入れた。 2006年5月14日には日本中東学会第22回年次大会(東京外国語大学)において、「コーカンド・ハーンの系譜書-母系サイイドの検討」の発表を行い、タジキスタンで発見されたファトワー文書を元にコーカンド・ハーン家の系譜を再検討した。 2006年8月17〜19日の間、タジキスタンのドシャンベ近郊および南部地域において現地調査を行い、様々な聖者裔に関する聞き取り調査を行った。 2006年9月28日には、アメリカのミシガン大学において開催されたCentral Eurasian Studies Society(中央ユーラシア学会)第7回大会で「The Life and Activities of Khwaja Hasan in Western Turkistan(トルキスタンにおけるホージャ・ハサンの生涯と活動)」の題目で報告を行った。報告においては、新発見史料を用いてカシュガル・ホージャ家の末裔であるホージャ・ハサンの活動を追い、彼らが当時東西トルキスタンをまたいで活動していたことを指摘した。 2007年3月6日〜14日には、他科研費の研究協力者として、ウズベキスタンを訪問し、タシュケントの東洋学研究所において写本調査を行ったが、この間、自身の研究テーマに関連するスーフィズム関係諸写本を閲覧する機会に恵まれた。 共同編集した『新疆およびフェルガナのマザール文書(影印)』第1集では、フェルガナ盆地で発見・収集された7点の文書の解題を執筆した。 また論集『中央アジアのイスラーム聖地-フェルガナ盆地とカシュガル地方-シルロード学研究』においては、フェルガナ盆地のマザール調査と発見文書研究の成果を発表した(2004年度に共同研究に参加)。
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Research Products
(4 results)