2006 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子光水素発生デバイスにおける構造活性相関の探求
Project/Area Number |
05J02413
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小澤 弘宜 九州大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 水素 / 光分子デバイス / 白金錯体 / ルテニウム錯体 |
Research Abstract |
申請者は、溶液中に無秩序に共存する3種の化学種(Ru(bpy)_3^<2+>、メチルビオローゲン、白金錯体)を機能的に組織化することにより、単分子で光増感作用と水素生成触媒作用の両機能が効率良く遂行される光分子デバイスの開発を目的として研究を進めており、これまでにその機能を有する白金ルテニウム二核錯体の第一例目、及び第二例目の光分子デバイスの開発に成功している。本研究では、この光分子デバイスに関して1、水素生成メカニズムの解明、2、構造-活性相関の解明、及び3、より高活性な光分子デバイスの開発を目指して研究を行った。 本年度は、第一例目である光水素発生デバイス1について、昨年度の研究成果から予想される触媒反応メカニズムの妥当性を検討した。特に、分子デバイス二分子が関与して触媒反応が進行するという予測から、1の二量体型構造の白金ルテニウム四核錯体の合成と触媒機能評価を行なった。これまでの研究では、単一分子内に複数の光増感サイト(Ru(bpy)_3^<2+>型錯体)を有する多核錯体は、分子内でのエネルギー移動消光が促進されるため、光触媒機能の発現は困難と考えられてきたが、申請者は、2つの光増感サイト同士が電子的相互作用を持たない多核錯体をデザインすることで、光水素発生機能を示す初めての四核錯体2の開発に成功した。四核錯体2は、二核錯体デバイス1の約2倍の光量子収率を示したことから、水素生成反応は二分子の二核錯体1が関与して進行するという予測が強く支持された。 また、本年度は論文執筆活動も重点的に行い、三報の論文を投稿し、受理された。
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Research Products
(3 results)