2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J02444
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山本 睦美 東京理科大学, 生命科学研究所, 特別研究員PD
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Keywords | B細胞 / シグナル伝達 / プレB細胞レセプター / B細胞初期分化 / 遺伝子再構成 / アダプター蛋白 / 急性リンパ性白血病 |
Research Abstract |
pre-B細胞レセプター(pre-PCR)からのシグナルはL鎖遺伝子再構成を活性化すると考えられているが、その分子経路はほとんど明らかになっていない。BASH(BLNK/SLP-65)はB細胞特異的に発現するアダプター分子であり、pre-BCRおよびBCRからの細胞内シグナル伝達に重要な役割を担っている。特に、pre-BCRシグナルによるRAG2の発現抑制とその後の分化に伴うL鎖κ遺伝子再構成の促進にはBASHが必要であることが示唆された。そこで、本研究ではK遺伝子再構成を誘導するBASHより下流のpre-BCRシグナル経路を解明することを目的とし解析した。まず、実験材料として急性プレB白血病を発症したBASH欠損マウスよりプレB白血病細胞株(BKO84、他)を樹立した。そして、このプレB白血病細胞株がPMA刺激あるいはBASHの再構築によりL鎖κ遺伝子再構成やpre-BCRの発現低下を誘導することを見出した。特異的な阻害剤を用いた解析により、novel PKC(nPKC)とMEKの活性化はL鎖κ遺伝子再構成に必須であるが、Rasは必須でないことが明らかになった。さらに、レトロウィルス感染の系より、nPKCファミリー分子の一種である活性化型PKCηあるいはPKCε、またRaf-1をBASH欠損プレB細胞株に導入するとL鎖κ遺伝子再構成が誘導されたが、Rasでは誘導されなかった。次に、タモキシフェン(4-OHT)で活性誘導できるBASHの融合蛋白BASH-ER^<TM>を構築し、これをBKO84細胞株に安定導入したBLNK-ER^<TM>/BKO84細胞株を作製した。このBLNK-ER^<TM>/BKO84を4-OHT処理するとκ遺伝子再構成とpre-BCR発現低下が起こることを確かめた。4-OHT処理により、各nPKC分子の活性化を示すリン酸化レベルが4-OHT処理する前後で変化していないにも関わらず、共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析によりPKCηおよびPKCεは細胞質から細胞膜へ移動し、κ遺伝子再構成の誘導を促進することが示された。以上の結果より、κ遺伝子再構成を誘導するpre-BCRシグナル経路は、Ras非依存的なBASH-nPKC-Raf-1を介することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)