2006 Fiscal Year Annual Research Report
液柱内マランゴニ対流における対流場の能動的制御の研究
Project/Area Number |
05J02448
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
植村 豪 東京理科大学, 理工学研究科機械工学専攻, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マランゴニ対流 / 微小液滴 / 表面張力 / マイクロスケール / 制御 |
Research Abstract |
近年,化学反応のマイクロスケール化が注目されており,液滴体積の微小化と制御,ハンドリングに関する研究が重要な課題となっている.本年度の研究では,マランゴニ対流下におけるロッドを用いた微小液滴の形成実験を行った.加熱した微小ロッドをシリコーンオイルの液膜から引き上げ,ロッド端面上に液滴を形成する.この時,自由表面上に付加された温度勾配によって生じるマランゴニ対流の影響を利用し,液滴体積の制御を試みた.実験では主に液滴体積,及び体積再現性の精度を測定し,高速度カメラを用いて液滴の分離過程を観察した. マランゴニ対流の強さを変化させて実験を行ったところ,対流が強いほどロッド端面上に形成される液滴体積が減少し,、液滴体積の減少は対流強度に対して線形であることが分かった.またマランゴニ速度を考慮したキャピラリー数を用いて液滴の体積変化を整理したところ,本実験のスケール(ロッド直径2mm)では試験流体の粘性(2-20cSt)に依存せず,いずれも同様の減少傾向を示した.従って本実験の範囲では,マランゴニ対流による液滴体積の変化は粘性に依存せず線形的であり,形成される液滴体積を容易に予測,制御できることを示した. 高速度カメラ(フレームレート1000fps)での観察を行い,マランゴニ対流の有無による液滴体積の減少メカニズムを調べた.その結果,マランゴニ対流が生じている場合では,液滴分離の瞬間にコンタクトラインがロッドのエッジ部分から離脱し,端面上をDewettingしている様子が捉えられた.一方,対流が無い場合にはDewettingの発生は見られなかった.Dewetting距離はマランゴニ対流が強くなるほど長くなっており,液滴体積の減少メカニズムにロッド端面上のDewettingが強く影響していることを見出した.
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Research Products
(1 results)