2005 Fiscal Year Annual Research Report
液柱内マランゴニ対流における対流場の能動的制御の研究
Project/Area Number |
05J02448
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
植村 豪 東京理科大学, 理工学研究科機械工学専攻, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マランゴニ対流 / 制御 / 表面張力 / 対流パターン |
Research Abstract |
液柱内マランゴニ対流の三次元振動流に対し,プレデターミナント制御を用いた振動流の抑制実験を行った.液柱自由表面上に局所的な周期変動加熱を与え,加熱量と加熱周期が振動流の抑制に及ぼす影響を調べた.その結果,加熱量が大きいほど温度振動が抑制されることが分かった.この時,加熱量の増加に伴って振動流の定在型モード構造が周方向に移動した後,振幅が減少してゆく過程が観察された.また加熱周期が振動流の基本周波数に近い場合,振動流は抑制されずに励起され,より激しい振動流が発現した.一方,加熱周期を基本周波数よりも2倍以上大きい値に設定すると,振動流は二次元定常流に抑制されることを見出した. 従来の制御実験はモード2とよばれる振動流を対象としていたが,本年度はモード3及びモード構造が不明瞭な振動流についてもプレデターミナント制御を行った.その結果,どちらの振動流についても温度振動の抑制に成功した.過去に用いられたフィードバック制御ではモード数の情報がなければ制御ができなかったが,本実験結果はモードに依存しない制御を実現したといえる. 以上の研究結果については,第6回実験熱流体に関する国際会議(4月)及び第42回日本伝熱シンポジウム(5月)で発表を行なった. また2005年9月から2006年3月までスウェーデン王立工科大学に滞在し,Prof.Ambergらのグループと共同研究を行なった.マイクロスケールの液滴ハンドリング実験において,任意の液滴体積を高い精度で形成することに成功し,次年度以降の研究を進める上で重要な知見を得た。
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Research Products
(4 results)